コロナ危機の中、失業したり勤務時間が減ったり、コロナに感染して仕事が出来ないなどで経済的に困窮する人は少なくないであろう。
お金に困っている人は資金面で公的な援助が受けられる。
知らないままだと損をするので、行動して経済的な危機を乗り越えましょう。
※紹介するものはイングランドで適応される制度なので、他の地域では要項が少し異なる場合があります。
コロナ感染者向けの援助
Statutory Sick Pay (SSP)
病気になって働けない場合に利用できる制度。
コロナに感染した人、または自己隔離が必要な人がこの制度を利用出来る。
概要
- 企業に雇用されていて、その雇用主の下で今までにいくらか仕事をした
- 週に少なくても平均£120の収入を稼いでいた
- 非出勤日を含めて少なくとも4日間連続して病気あるいは自己隔離で欠勤を余儀なくされている
- 働けない状況になってから7日以内に雇用主に伝える
- Furlough(coronavirus Job Retention Scheme)適応中でも申請できる
- 最大28週間、週に£95.85が受け取れる
- 雇用主から普通の給料と一緒に支払われる
- 国外から入国したことを理由とする自己隔離には適応されない
会社が定めているCompany Sick Pay(病欠手当)を利用する方がより多い額をもらえる可能性があるので契約書を読み返したり、雇用主に確認をしよう。
Test and Trace Support Payment
コロナテスト陽性者またはその家族などの濃厚接触者が利用出来る制度。
概要
- コロナテストの結果、自己隔離が必要な場合
- 自己隔離が必要とされNHSのTest and Trace account IDを授かった
- イングランドに住んでいる
- 収入が少ない人 自宅から仕事が出来ず、収入減少が予想される
- 自分または同世代の人がBenefit(公的資金援助)を既に利用している程困窮している
- Benefitを利用していないが収入が少ない人も利用出来る可能性がある
- 自己隔離終了後最大14日以内なら請求できる
- この制度は2021年1月31日まで(2021年1月1日現時点)
- Council経由で£500受け取れる
- 支払われた金額は所得税の対象となるがNI contribution(国民保険)の対象にはならない
出典: Claiming financial support under the Test and Trace Support Payment scheme - GOV.UK
New Style Employment and Support Allowance (ESA)
体が不自由な人、コロナ感染者が利用出来る制度。
Sick Payが利用出来ない場合に申請すると良い。
概要
- 過去2-3年以上十分なNational Insurance contributions(国民保険)を支払っていること
- 自己隔離が必要な雇用者または失業者
- 年金受給年齢に達していないこと
- 自分またはパートナーの収入や貯金の額は考慮されない
- 25歳未満の場合週に最大£58.90、25歳以上の場合週に最大£74.35受け取れる
- 2週間毎に支払われる
- Statutory Sick Payとの併用不可
- New Style Jobseeker’s Allowanceとの併用不可
- Universal Creditとの併用可
出典: Employment and Support Allowance (ESA): How to claim - GOV.UK
income-related ESA
過去2-3年以内に十分なNational Insurance contributions(国民保険)を支払っていない場合は所得に関連したESAを受けられる。
その場合は貯金が£16,000以下でなくてはならない。
また、世帯年収や£6,000以上の貯金は受け取れる金額に影響する。
短期の期限付きvisa(ワーホリなど)で申請出来るかは確認出来ていません。
コロナで収入が減った人向けの援助
Universal Credit
生活困窮者が利用出来る制度。
失業者や収入の少ない人で貯金や資産がない人が利用出来る。
基本的には短期の期限付きvisa所持者は申請出来ない。ワーホリのvisaでは不可。
概要
- 自分とパートナーの貯金が£16,000以下であることが条件
- 年金受給年齢に達していないこと
- 18歳以上であること
- その人の状況によってもらえる金額が異なる(収入、貯金の額、家賃の額、子供の有無など)
- 状況に応じて計算された額が毎月支払われる
- 申請後最初の支払いが行われるまで約5週間かかる
- 自分の状況に変化があればその都度情報を更新しなければならない(仕事の有無など)
- Web上でUniversal Creditのアカウントを作る必要がある
- New Style Jobseeker’s Allowanceとの併用可
New Style Jobseeker’s Allowance (JSA)
雇用者で16時間以下の勤務の人、または失業者が利用できる制度。
概要
- 過去2-3年以上十分なNational Insurance contributions(国民保険)を支払っていること
- 通常週16時間以下の勤務時間であること
- 年金受給年齢に達していないこと
- 自分またはパートナーの収入や貯金の額は考慮されない
- 最大182日間受け取れる
- Furlough(coronavirus Job Retention Scheme)適応中でも申請できる
- Universal Creditとの併用可
公式の情報が他の制度より何故か薄く、金額に関しては不明。
New Style Employment and Support Allowance (ESA)のようにNI Contributionの支払いが不十分でも所得に関連した制度があるのかも不明。
その他のコロナ禍での公的資金制度
健常者で働ける年齢にある一般的な雇用者として働く市民が利用できる制度は上記で紹介したもので全てです。
年金に関連した公的資金などの他に使用できる制度は以下のページあります。
その他の仕事や資金面でのサポートについては以下の政府のサイトをご参照ください。
公的資金の申請資格があるか?
短期期限付きvisa保持者は公的資金に申請が出来ない可能性がある。
BRPカードの裏面の”REMARKS”という項目に”NO PUBLIC FUNDS”と記載されていると公的資金援助は利用出来ない。
きちんと働いて国民保険払っているのにひどいなと思う。
まとめ
知人のルーマニア人はUniversal Creditで月に約£800もらっていた。
今まで真面目に貯金した人は貰えなくて、後先考えず貯金をしていなかった人はたくさんもらえるなんてなんだか不公平な気がしてしまうこのUniversal Credit。
しかもこの制度、ワーホリ民は使えないしね。
基本的に国民向けの制度なので、短期期限付きvisaの移民は利用出来ない制度が多いのが実情。
ワーホリ民が使える可能性があるとしたら、Statutory Sick Pay (SSP)くらいだろう。
また定かではないが、Test and Trace Support Payment 、New Style Employment and Support Allowance (ESA)のincome-related ESAも使えるかも知れない。
誰かトライしたら申請出来たか教えて下さい。
公的資金の申請をする際に、虚偽がある場合は法的にペナルティが課される場合があることを同意させられる。
とは言え、正直に答えれば問題はなく、申請が通るかどうかは向こうの判断なので、とりあえず申請してみると良いだろう。