ロンドンの治安は日本よりはもちろん悪い。
でも犯罪という観点からすると気を付けるか否かで変わる部分があるので、私は日本とそこまで大差ないと思ってる。
ただ、ロンドンは普通に道を歩いてる人が急にキレたり、夜に奇声をあげる人が多かったりする。
またもちろんスリや置き引きが多い。全ての人はチャンスがあれば物を盗むと考えていい。
それぐらいに気を引き締めた方がいい。他人に良心があるなんて買い被ってはいけない。
アジア人の特に女性は小柄で逞しく見えないので犯罪のターゲットになりやすいと思う。
※この記事で言及されているロンドンの治安については私の体験に元ずく主観が基本となるため、参考程度にしてください。
zone制によるエリア区分
PiccadillyCircus周辺を中心にして、センターから近い場所からzone1〜zone9となっている。
ロンドンと言えるのはzone5か6辺りまでだろう。
センターに職場があるという人はzone3以内には住まないと通勤が大変だと思う。
交通手段は主に地下鉄になるだろうが、日本のように急行や快速などなく、各駅停車です。
私は地下鉄は高いので基本バスにしか乗らないんだけど、センターまでバス通勤したいと思ったらzone2以内に住まないと厳しい。
道路状況によるけど、朝や夕方は基本渋滞するのでzone2に住んでいてもセンターまで1時間くらいはかかる。
ちなみに深夜24時間運営バスがあるのはzone3か3よりの4くらいまで(エリアによる)。
東西南北のエリア区分
東西南北を基準に分けて区切られたエリアはポストコード(郵便番号)に分かりやすく振り分けられている。
EC: East Centre/東よりのセンター
WC: West Centre/西よりのセンター
N: North/北
E: East/東
SE: South East/南東
W: West/西
NW: North West/北西
SW: South West/南西
治安の良いエリア悪いエリア
一般的な情報と私の個人的な印象でロンドンのエリアの治安の良し悪しを表した図がこちら。
治安が比較的良いエリア
West
一般的に治安がいいと言われているのはWeat、西側ですね。
日本人が多く住んでいる。街並みが整頓されていてクリーンなイメージ。
金持ちが多い。比較的に白人が多い。
Shepherd’s Bushに"Westfield"という大きいショッピングモールがあるのでその周辺は便利。
ActonやHammersmithなどは日本人に人気。
Ealingあたりも日本人が多い。
治安が比較的に良い一方で住宅街ばかりでつまらない。
NorthWest
キレイな住宅街とローカルのお店が多くて落ち着いた雰囲気。
SwissCottage、Finchley Roadあたりは日本人に人気のエリア。
北上していくほど治安の良さは低下していきます。
SouthWest
基本交通の便が悪い。
センターに近いところVauxhallとかは再開発されてきててキレイで土地が高い。
つまり金持ちが多い。
BrixtonはVintageショップやマーケットがあってちょっとだけ活気があるけど治安が悪いと言われていた。
Clapham Junction駅周辺は大きいスーパーマーケット(AsdaやLidl)があり便利でパブやカフェも多くてまあまあ賑わっているイメージ。
治安が比較的悪いエリア
East
治安が悪いと言われているのは東側EastとSouthEast。
Eastは街並みがごちゃごちゃしていて汚い。
住んでいる人たちの民度が低い。
アートでディープな街が多く、賑わっている。なんだかんだ一番便利な地域。
北側のEastは本当に治安が悪い、ギャングの喧嘩とかで。
Hackneyよりも北あるいは東に行くと治安は悪化していく。Hackneyもあまり治安はよくないけど。
Stratfordは駅周辺であれば再開発されていてまあ住めるだろう。昔は移民ばかりで住めたもんじゃない危険なエリアと言われていた。
WhitechapelやStepneyGreen、Bethnal Green周辺はインド人とかアラブ人(ムスリム)が多い。やはり夜歩くのは怖い雰囲気はある。
Bow(BowRoad, Bromley-By-Bow)らへんは現地人のUber運転手がここはまじで危ないエリアだって言ってた。
SouthEast
南は黒人が多いというイメージがロンドナー達にはあるが、最近はどのエリアでも白人よりも黒人の人口が多い。
センターから離れるほど治安が悪くなる。ギャングとかが喧嘩したりする。
Pechamあたりはすごく治安悪いって聞いたことがあるけど、若者からは注目を一部で集めている熱いエリアらしい。
テムズ川から近い場所ならそんなに治安悪くないし住みやすいと思う。CanadaWaterはオススメ。
zone1で唯一貧乏人でも住める可能性のある地域Elephant&Castleは治安が悪い危ない街と言われていたそうですが、最近は駅周辺ならそこまで危険ではないようです。駅周辺は賑わっているし便利。
North
治安的には"まあ良くはない"という感じ。街並みは汚い。Eastよりの感じ。
地形的に坂が多いからセンターからNorthに向かう際は上り坂を避けられないし、急勾配に住宅街があったりして体力的に疲れる。
坂さえ気にならなければまあまあ住みやすいエリア。
私はSouthWest以外の地域には住んだことがあるけど、Eastが一番便利だし楽しいし、なんだかんだで住みやすくて好きです。
日本人には治安が悪いという理由で避けられているけど、現地人には人気なエリアなのでフラットシェアの家賃は西より高めに感じる。
あとSouthEastも適度に栄えてて住みやすかった。けどセンターまでバスで行くのに、テムズ川渡らないといけないからアクセス悪いと感じた。
センターメインで生活する人にとってはzone2だとしてもSouth側はアクセス微妙かも。
治安悪い事例
自転車の鍵
日本では自転車付属の輪っかの鍵一つで十分だった。
鍵をかけ忘れても盗られずに駐輪場にちゃんと残ってる可能性が高かった印象です。
でもロンドンでは自転車に鍵をかけなかったら秒で盗まれる。
鍵を掛けたとしても壊されて盗まれることがある。
盗まれるパターン
- 鍵を掛けずに盗まれる
- 鍵を1つしか掛けなかったためにパーツが盗まれる
- 鍵を掛けたのに鍵が壊されて盗まれる
鍵は最低2つは掛ける、それを移動できない頑丈なポールや柵に繋ぐのが必須。
前輪、後輪、フレーム全てに鍵を通しておかないと、後輪だけ盗まれるとか、後輪以外全部盗まれるという悲惨なことになる。
2つ以上の丈夫な鍵を掛けていても高価な自転車は、鍵をニッパーや電動ノコギリなどで壊す、繋いでいるポールや柵の方を壊すなどして盗まれる。
サドルだけ盗まれるという事例もある。
私の友人の内で5人は自転車を盗まれた経験がある。
新品や高価な自転車、あるいは鍵を1つしか掛けていなかったことが原因で。
アドバイス
見た目がボロくてダサくて、サドルのアジャスター部分が錆びついている自転車に、重くて太いチェーンロックと太いU字ロックをつけてさらにワイヤーもついでにぐるぐる巻いて全ての鍵を頑丈なポールにつなぐというのが私のオススメです。
スリ・強盗
ロンドンではスリや置き引きはとても身近な犯罪。
私の友達の大半が被害経験者。
人混みはもちろんだけど、人混みじゃなくてもスリ被害にあう可能性がある。
スリ置き引き・強盗被害パターン
- 人混み(OxfordStreetの交差点、NewYearの花火 )でのスリ(主にポケットや手から)
- 歩いている際、複数人が後ろから近づいて来てバックパックからスられる
- 歩きスマホをしていて、後ろから自転車にスマホを盗られる
- レストランやパブなどで机の上に置いた財布やスマホを取られる
- 地下鉄でスマホを手から奪取されてそのまま降車して逃げられる
- 複数人に囲まれて携帯を強奪される
- 複数人にいきなり暴行されて荷物を強奪される
上記のパターンは全部、知人や友人が体験した話。
パターン6の強盗は気を付けようがない怖い事例だけど、その友人は大声を出して相手が怯んだ隙に走って逃げて被害を防げたらしい。
パターン7の強盗は、知人が夜センターにいる時、大通りからすぐの裏路地に行き立ちションをしていたら後ろから暴行されたらしい。
ロンドンには駅に基本トイレはなく夜中に開いている店もないのでトイレに困る。
だからみんな道端で立ちションをするんだけど、その場合は裏路地ではなく堂々と大通りでしないと危ないのだ。
現地人は羞恥心よりも身の安全を優先する。
アドバイス
ポケットに貴重品を入れず、歩きスマホはやめて、人混みではスマホを取り出さない。
自分の鞄や貴重品は常に自分に身につけておき、レストランなどでもずっと身につけておく。
ブランド品の着用など、お金を持ってそうと思われる格好は避け、みすぼらしい格好や振る舞いをする。
夜は特に暗い路地に入らない、大通りのみを歩く。
恐怖体験
ここからは私の体験した怖かった出来事。
case1. 車に並走された
zone4のNorth Westに住んでいた頃の話。
住んでた家の近くのバス停は深夜バスがなかったので、深夜に帰るときは家から徒歩27分離れたバス停を利用していた。
しかもセンターから帰るときはGoldersGreenで乗り換えるのだが、終バスがあってその終バスを逃すと帰る手段がなくなるというリスキーな場所に住んでた。
夜遅くまでの仕事の帰り道、春先だというのに肌寒い深夜2時頃にその27分離れたバス停から家まで歩いていた。
zone4で栄えていない街なのでお店は全て閉まり、人も車もほとんど通っていない、頼りない街灯が照らす暗い道を早歩き。
すると1台の車が前から通り過ぎて行った。と思ったら引き返してきて私の後方からゆっくりと私の歩く速度に合わせて並走してきた。
それに気づいたとき虫酸が走って心拍数が一気に上がったが、焦るそぶりを見せると付け込まれると思ったので車の方に目を向けず無表情で俯きがちに早歩きを続けた。
しばらくして車は私を追い越し走り去って行ったけど、また引き返してきたらという不安があったので、車の姿が見えなくなり次第全力で家まで走って帰った。
実際何事もなかったのだが、このときは本当に怖くて「ああ、拉致されて最終的に殺されるのかな。人生終わりかな」とか考えていた。
当たり前だけど夜道の一人歩きは危ない。特に賑やかではない街、閑静な住宅街なんかが一番危ない。
だって大通りすら暗くて誰もいないから。
そういう地域に夜中に帰る場合は高いけどUber使うべきだなと思いました。
case2. 変人
ロンドンにはたくさん変人がいるから日常茶飯事ではあるんだけど、特に印象に残っている体験。
夜中、GoldersGreenのバス停でバスを待っていた時。
営業中のオフライセンス前のバス停で明るかったし、周りにはバスを待っている人が何人かいたから雰囲気は殺伐としていたけどそれほど気にならず、特に身構える事なくバス停のベンチに腰掛けていた。
すると私から1〜2m離れて座っていた男が「meow, meow」と猫の泣き真似をしていた。
「あー、頭おかしい奴いるなー」と思っていたら、そいつが「猫は好きですか?」と日本語を発した。その男は明らかに日本人ではないのに。
「っ‼︎!私がターゲットだったのか!」この瞬間私はゾッとした。
内心めちゃくちゃ焦りながらもシカトして無表情を保ち、到着したバスに毅然と乗り込んだ。
その男がバスまで付いてきたらどうしようと心配していたが、付いてこなかった。
怪しい奴には反応せずに、シカトを貫くのが良策なのだな。
ちなみに夜道に知らない人からの「Excuse me」は関わるとロクな事がないのでシカトでよい。
case3. ストーキング
zone2のSouth Eastに住んでいた頃。
住んでたフラットはバス停から徒歩2分、大通りからすぐ、街も夜中でも真っ暗にはならない割と賑やかな地域だった。
夏の夜中、家に帰るためにバスに乗っていた。
当時の私は仕事と遊びで忙しく、殆ど寝ない日々を過ごしていたのでバスで寝るのが習慣になっていた。
その夜もバスで寝ていてふと起きると隣に小太りの白人のおじさんが座っていた。
「他にも席空いてるのに隣に座ってくるなよなー」と潔癖症の私は不快に思いながらもそのまま寝た。
降りるバス停が近づいて、降車ボタンを押すと、そのおじさんは立ち上がり降車ドアの前に立った。
「このおじさんも同じバス停で降りるんだ」って思っておじさんが降車した後に私も降りた。
先に降りたおじさんが私の家路とは反対方向に歩いて行ったのを見届けて、安心してた。
家に向かって歩いていて、ふと後ろを振り返ると少し離れておじさんが付いてきていた。
「うっわ!!」と思って咄嗟に猛ダッシュしてすぐにフラットのエントランスに駆け込んだ。
バス停から家までが近すぎるのでもう少しおじさんが近くにいたら、巻けなかったかもと思った。
バス停から家が近すぎるのもバスから付いてきたストーカーに家バレする危険があるので危ないなと思った。
一瞬で冷や汗かいた出来事だった。
case.4 ストーキング2
夜中、仕事終わり。その日は彼氏の家があるHackneyに職場からバスで向かった。
バス停から彼の家までは10分程度で、大通りから段々と暗い住宅街に入っていくルートだった。
雨が降り傘をさして歩いていたその道すがら、角を曲がろうとした時に私のすぐ後ろ1mもないくらいの距離に男が付いてきていることに気付いた。
めっちゃ驚いたけど、それほど静かな道ではなかったので一旦立ち止まって、スマホで道を調べてる振りをしてその男が立ち去るのを待とうと思った。
がしかし、その男は辺りをウロウロしてどっか行こうとしない。完全に私をストーキングしていたのだった。
めちゃくちゃ警戒している私に男が話しかけてきた。
道を尋ねてきたから「そんな通り知らなねーよ」(もちろん英語で)と迷惑そうに答えた。
それでも男はどっか行こうせず「Are you ok?」と何回も聞いてきた。
こっちが「ほっといてよ」とウザがる態度で追い払おうとしても引き下がらないので、来た道を小走りで戻りそいつを巻こうと試みた。
そして、日曜日以外は24時間営業のデカいTescoまで走って避難した。
小走りしながら彼氏に電話をして迎えに来てもらうことにした。
Tesco入り口のセキュリティの横で待機していると、ストーカー男がTescoに入店して来た。
でも私が入り口ですごい形相しているのを見て、店内の奥へと消えて行った。
その後すぐに彼氏がTescoまで迎えに来てくれてやっと安心できた。
彼氏は走って来てくれた割に「何か買って帰る?」と呑気なこと言うので店内にまだストーカーがいると伝えてそそくさと帰った。
近くに24hのデカいTescoがあって、その日が日曜日じゃなくて、自分の家に向かってる時じゃなくて本当によかった。
まとめ
私は心配性で注意深い性格なのでスリや置き引きなどの被害には今まであったことはない。
スリ被害は自分の意識で十分防げます。
しかし、ストーカーなどの性犯罪に繋がりかねない事態は気をつけていても防げない部分はある。
夜道を一人で歩くのが危険だってことは分かっていても、仕事の都合上どうしようもない。
ただ、私はゾッとする体験はしたものの、この程度の体験あるいはもっと怖い思いを日本でもしたことがあるから、結局”人や車通りの少ない場所”や”深夜”はどの国にいようと危ないということで治安の判断にはならないかもしれない。
そういう意味では、ロンドンと日本の治安に大差はないと私は思う。