イギリスで賃貸物件を借りるのは日本で借りるよりも手続が簡単!
連帯保証人、礼金など細かい手続がない。
その分貸し手が怪しかったり詐欺被害が後を絶たないので、家探しは慎重にならなければならない!
ロンドンの賃貸市場はめちゃくちゃで、詐欺行為が横行していてまともな大家・エージェント(仲介業者あるいは不動産屋)を探すのが本当に困難です。
違法行為をしていたり、物件の管理をネグレクトしている家主がとても多い。
そして良い部屋は秒でなくなるし、家主は基本的に入居を待ってくれません。
部屋探しの際は慎重かつ迅速に行動しなくてはならないので、部屋探しはイギリス生活の中で一番ストレスになると言っても過言では無いです!
私は10回引越し、11軒の部屋に住んだけどやはり幾度となくトラブルを経験した。
注意点などを踏まえてイギリスでの部屋探しについて説明します。
イギリスの賃貸物件の種類
まず、賃貸物件の種類についてざっくり説明します。
- Studio Flat: ワンルームアパート
- Share Flat: シェアハウス(複数人で住んでキッチンバスルーム共有)
- Share Flat ensuite: シェアハウスでバスルーム付きの部屋(キッチンは共有)orキッチン付き部屋(バスルーム共有)
Share Flatの種類
建物の種類
- Flat/Flat Share: フラットと呼ばれる集合住宅の1戸をシェアする。
- House/House Share: 一軒家をシェアする。
部屋の大きさ
-
Double bedroom: ダブルベッドがある部屋。広めの部屋。
-
Single bedroom: シングルベッドがある部屋。狭い部屋。
- Twin room: シングルベッドが2つあり、他人と部屋をシェアする。シェアフラットでさらにルームシェアする。
- en-suite room: バスルーム付きの部屋。
家具付きかどうか
- furnished: 家具付きの部屋
- unfurnished: 家具付きでは無い部屋
家具付きでもベッドしか無い部屋とか収納が十分では無い部屋も多い。
光熱費が家賃に含まれるか
- all bill included: 全ての光熱費込み。通常はcouncil tax (住民税)も込み。
- not included: 光熱費別料金。
- some bill included: 光熱費一部込み。電気代以外込みなど
大家同居か別居
- Live In Landlord: 大家と同居する。何かあればすぐ対応してくれるけど、細かい大家だといちいちうるさく注意される可能性あり。
- Live Out Landlord: 大家は別の家に住んでる。気楽だが、どこに住んでいるかわからずトラブルに対してすぐに対応してくれない。
貸し手の種類
誰から借りるのかという点。
- Private Landlord: 個人大家。持ち家を貸しているあるいは賃貸を又貸ししている。
- Agent: エージェント。家主とテナントの仲介業者あるいはエージェント所有の物件の貸付ビジネス。
家賃相場
ちなみに私はロンドンの家賃相場しか知りません。
イギリスはインフレがえぐいので年々家賃相場は上がっています。
ロンドンの住む地域、zoneによって変動し、zone1(centre)に近ければ近いほど家賃が高い。
- Studio Flat: 約£800〜。相場は£1200くらい。
- Share Flat: 約£380〜。相場はsingleで£650くらい。ちょっと広めの部屋に住もうと思ったら£750-800以上は覚悟したほうがいい。
詳しい家賃相場はSpareRoomがエリア毎にまとめてくれているので参考にしてください。
⬇︎ロンドンのエリアの説明と治安について私視点で言及したのでこちらも参考にしてください。
またシェアフラットだと何人でシェアするかによっても家賃が変わってくる。
一般的にはシェアする人数が少ないほうが家賃が高くなる。
平均は3〜6人。多いところは10人でシェアなんて物件もある。
シェアする人数に見合った数のキッチンとバスルームがあるかは重要チェックポイントです。
リビングルームがある物件は比較的家賃が高い印象がある。
契約方法
契約方法は大家やエージェントによって様々だが、基本的には以下の通り。
基本的な契約の流れ
- 自分の身分証明書のコピー、給料明細など家賃の支払い能力の証明を大家に提出
- 大家/担当者から渡される契約書にサインする。
- ホールディングデポジット(予約するための前金)を払う。
- 入居日当日に家賃と残りのデポジット(日本でいう敷金)を払う。
デポジットは退所時に部屋に目立った損傷がなければ全額返金される。
契約書の全てに目を通し疑問点は大家に確認し契約内容を明確にしてからでないとサインしてはいけない。
契約書のコピーは必ずもらい保管する。
住む確証が得られないうちは金を払ってはいけない。(ホールディングデポジットを住む前に払う場合は契約書や領収書をもらう。)
ホールディングデポジットは入居日まで部屋をおさえておくための手付金のようなもの。法律上、金額は家賃の1週間分が上限です。実際に入居した後はデポジットと統合され、退去後に変換される。ホールディングデポジットを払った後で入居をキャンセルした場合には没収される場合が多い。
基本的な流れに沿わないケース
身分証明が必要ない
身分証明を提出しなくていい場合も結構ある。大抵の場合はパスポートの写真を取るなどして身分証明書を保存する大家が多い。契約書がない場合に身分証明書を要求されないことが多い気がする。
用心深い大家だと、家賃を払う能力を確認するために仕事をしている証明やBankStatementの提出を要求される。
契約書がない
貸し手が個人大家の場合、契約書を用意していないことがある。その場合、大家が信用に足る人間かどうかを見極める必要がある。
- 対策1: 必ず大家の身分を確認する。パスポートを見せてもらい、可能であれば写真やコピーを撮らせてもらう。自分のパスポートのコピーと交換すれば良い。
- 対策2: 入居日当日に部屋の鍵と交換でデポジットを払う。
- 対策3: 最低限の情報はメモを取る、広告のスクショを取るなどして証拠を残す。(家賃の金額や支払日、デポジットの金額やノーティス期間など。)
契約書のない場合は家主は違法で貸し付けていると思ってください。
相場よりも明らかに家賃が安い物件では契約書をくれないことがあるので、気をつけてください。
家主が物件の違法貸しをしていても、安さを重要視して住むという人もいるだろう。
後々トラブルが起こる危険性があるので私はお勧めできない。
デポジットがない
個人大家で短期間の契約だと契約書もデポジットもない場合がある。 デポジットがないのはラッキーだけどその分お互いの信頼関係の構築が大切だと思う。また、この場合の大家は*HMOのライセンスを持っていないつまり無許可で家を貸し出している可能性が高いのでそれを理解した上で滞在してください。
まあ実際はほとんどの大家が物件のライセンスを持っていないけど。法律を遵守していない大家・エージェントが多すぎる。
(*HMOについて解説はこちらの記事で⬇︎)
デポジットについて
家主側がテナントによる物件の損傷や家賃の滞納などをしないように、デポジットを担保として要求します。
2019年1月以降、デポジットの金額上限は家賃の5週間分までが上限となっている。それ以上のデポジットを要求するのは違法なのでそういう人は詐欺です。
退去時に目立った損傷や家賃の滞納がなければ全額返金されます。
参照↓
家賃の計算方法
家賃の支払いは基本的に月ごとあるいは週ごとである。
- per week(pw): 週払い。実際には週換算されてるだけで2週間ごと1ヶ月ごとに払う場合が多い。
- per calender month(pcm): 月払い。毎月決まった支払日に家賃を払う。
月払いの家賃を週換算する場合の計算
1ヶ月の家賃×12÷52=1週間の家賃
例) £500/pcmの場合
500×12÷52=£115.38/pw
週払いの家賃を月換算する場合の計算
1週間の家賃×52÷12=1ヶ月の家賃
例) £120/pcmの場合
120×52÷12=£520/pcm
この計算を利用すれば日割りでの家賃も導き出せるので、家賃の支払い日の前後での誤差分の金額を正確に計算して大家に確認ができます。
入居の際、大家によって決められた家賃の支払日よりも前に入居した場合は、支払日より前に住んだ数日分の家賃を要求される。
退去の際も家賃の支払日から退去日まで日割りで計算できる。
絶対自分でも計算しておかしかったら家主に問い詰めてください。
契約期間
大家やエージェントにより決められている契約期間。
- minimum term: 最低契約期間。最低でも何ヶ月は住まないといけないという期間。
- maximum term: 最大契約期間。最大で何ヶ月までしか住めませんという期間。
平均的にminimum termは3ヶ月〜6ヶ月。それ以上長いところは慎重に検討した方がいい。
住んでみないとわからないことが多いので、住んだ後ですぐに引っ越せるように3ヶ月のところがおすすめ。
maximum termを決めている部屋はもともとショートステイ(短期間のみの貸し出し)の場合が多い。
エージェントの場合は半年〜1年の固定契約とするところが多い。
Fixd term tenancyといい、この決められた契約期間が終わるタイミングでしか退去できない。
契約期間が終わる前に退去する場合をearly terminateというが、この場合テナント側は次のテナントが見つかるまで自分の契約期間内は家賃を払い続けることになる。
詳しくは下記のサイトにてご確認ください。
ノーティス期間
退去を申し出る際に退去日よりも一定期間遡ってあらかじめ大家に知らせなくてはならない。
契約書に記載されている。通常は1ヶ月。
大家に事情を説明すればノーティス期間を短縮してもらえる場合がある。
大家や部屋に問題がありすぐにでも退去したいという場合は自分に非がないことを証明するためにCitizen Advice に相談するといい。
私の体験談はこちら⬇︎
エージェントには気を付けろ
私はエージェントが嫌いです。
- 基本的に高い家賃をふっかけてくる。
- 契約期間が決められていて長い。1年とか。
- 安い部屋の釣り広告を出すが実際にはそんな値段の部屋がない。(違法)
現在ロンドンの家はエージェントに買い占められて探してもほとんどがエージェントの広告であることが多い。
いくつものエージェントを訪ね回ったが誠実なエージェントは1つもなかった。
とはいえまともなエージェントが見つかれば個人大家よりも良い。
なぜならエージェントはRedress Schemeに登録する義務があり、問題が発生した場合はそのスキームを通して公式に苦情をレポートできるから。
⬇︎Redress Schemeについて
Registering with a redress scheme as a property agent - GOV.UK
現在エージェントはAgent Fee(手数料)をテナントから徴収してはいけないと法律で決まっています。
「No Agent Fee」とわざわざ広告に売り文句みたいに書いてるエージェントがいるけど、当たり前のことなのでメリットにはなってないのです笑
まとめ
契約の際は全項目をクリアにして慎重に行ってください。
信頼できる大家、エージェントを探すのはとても困難です。
大家の人柄もそうだが、シェアフラットで一緒に暮らす他のテナントとの価値観が実際一番肝になってくるのも事実だ。
苦労して部屋を見つけても、住み始めてからもまたトラブルが多発するので、その話はまた今度。
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